私たちが普段何げなく乗っているエレベーターですが、これまでにも何度か事故のニュースを耳にした人も多いでしょう。
停止していなければならないはずが、急に上昇を始めるなど、その原因はいまだ特定されていないため、利用する際に不安を感じる人もいるでしょう。
私たちが普段利用しているものでも、そのような危険性がないとは言えません。
業務用であれ、公共用であれ、所有者や管理者にはこのような危険性から利用者を守る重大な責任があるといえます。

エレベーターの構造


そもそもエレベーターの構造としては、人が乗り込んで移動するためのかごをロープでつるす構造となっています。
かごをつるしたロープが何らかの原因によって切れてしまうと、当然かごは落下してしまうでしょう。
しかし、たいていの場合、ロープは頑丈な材料で作られているため、よほどのことがない限り切れることはありません
そしてたとえロープが切れたとしても、かごが落下しないような作りになっています。
しかしロープは安全確保のためにも大切なものであるため、ロープの点検も欠かすことはできないでしょう。

起こりうるエレベーター事故


2006年、2012年と、シンドラー社製のエレベーターで死亡事故が起こりました。
その他にも、扉が開いたままの上昇、下降事故は度々報告されています。
不意に上昇してしまうのは、構造上で起きる可能性のある現象といえます。
この構造は井戸のつるべと同様の構造をしています。
かごをつるしたロープの先に重りをつなげて釣り合いをとった状態で駆動させているのです。
かごが下降すればおもりは上昇し、反対にかごが上昇するときにおもりは下降します。
釣り合いをとることにより、少しの駆動力でも、かごを上下運動させることができるのです。
このような構造は省エネというメリットもありますが、異常時にはかごが急に上昇する危険性があると言えるでしょう。
おもりは一般的にはかごよりも重く設定されているため、だれも乗っていない場合には、おもりの方が重いので完全な釣り合いが取れません。
そのままではおもりが下降して、かごは上昇することになります。
そのためかごを停止させておくためのブレーキが必要となります。
しかし何らかの理由によりブレーキが利かなくなってしまうと、かごの移動を制限する機能が正常に働いていたとしても、釣り合いが取れずにかごが動き出してしまいます。
だれも乗っていなければ上昇し、満員であれば下降することになるのです。

故障の前兆、異音の原因


エレベーターの安全管理を適切に行うためには、厚生労働省や国土交通省が所管している法律の適用を、しっかりと理解しておく必要があるでしょう。
それだけではなく、日ごろから点検を怠らないようにし、少しの初期症状でも見逃さないように、徹底してチェックを行う必要があります。
初期症状を見逃すことにより、重大な事故につながる恐れがあるため、故障の前兆となる初期症状について、しっかりと把握しておく必要があるでしょう。

油切れによる異音

故障の前兆としてあらわれることの一つに、ガイドレールの油切れによる異音が挙げられます。
エレベーターを導くレールのことを、ガイドレールと呼んでいます。
人が乗り込むかごはガイドレールに沿って走行することになります。例に挙げると、電車のレールをイメージすると分かりやすいでしょう。
通常であれば、かごとガイドレールの滑りを良くするために、ガイドレールには潤滑油が塗られています。
しかし潤滑油が切れてしまうと、その摩擦によって異音が発生することが考えられます。
異音が聞こえているのにもかかわらず放置を続けていると、その摩擦はどんどん大きくなっていくことでしょう。
これにより レールと部品がひっかかってしまい、振動が発生したり、かごの動きが悪くなります。
レールは傷つき、部品も破損することでしょう。
安全に使えなくなり、業務に支障が出るほどとなり、修理を依頼するまでになると、その費用はかなり高額になります。

巻上機の不具合による異音

そして異音が発生する原因としてもう一つのことが考えられます。
それはかごを動かしている巻上機の不具合です。
エレベーターが昇降する速度は、巻上機に備わっている減速機によって制御されています。
減速機には歯車が付いていますが、歯車と歯車の部分に隙間が生じると、震えが発生して異音が聞こえるようになります。
ちょうど自転車を運転していてブレーキをかける際に、キーキーと鳴る現象を想像するとわかりやすいでしょう。
音が聞こえている状態で、そのまま使い続けていると、巻上機のブレーキが滑ってしまったり、ブレーキがつぶれてしまう可能性もあります。
ここまできて修理を依頼すると、同じように高額な修理費用となるでしょう。
場合によっては修理もできなくなり、巻上機自体を交換することにもなるでしょう。
このようなエレベーターの異音や振動は、専門の人でなくても、毎日の点検や利用中にわかる不具合と言えます。

初期症状はすぐに対応

初期症状がわかった時に、すぐに対応するかしないかで、その後の修理費用には大きな差が出てくるといえます。
また費用の問題だけでなく、重大な事故を防ぐためにも、このような初期症状がみられた場合には、すぐに専門業者に相談するようにしましょう。