エレベーターのメンテナンスにかかる費用は、ロープ式・油圧式(寝台用・乗用・人荷用・荷物用)か、巻胴式(定員4人以下の乗用)かどうかによって異なってきます。
また、点検の種類をフルメンテナンス(FM)かパーツ・オイル・グリスメンテナンス(POG)どちらで契約するかによって変わってくるようです。

メンテナンスの種類

FM契約(フルメンテナンス契約)

フルメンテナンス契約とは、経年劣化した機械部品や電気部品の取替修理のほか、消耗品の交換定期的な点検・清掃・給油・調整を行う契約です。
部品交換・修理の際に必要な見積り確認や契約、支払いの手間が省けます。
また、保守費用が一定のため、年間の費用を把握できます。
大規模な修繕の必要があっても予算外の支払いをする必要がないことや、年中無休24時間故障対応をしている業者も多いことから、値段が高い分は保険として考えることもできます。
分譲マンションなど、予め予算計上をしておきたい場合に適している保守です。

POG契約(パーツ・オイル・グリスメンテナンス契約)

一方、パーツ・オイル・グリスメンテナンスは、一部の消耗品の交換や自動給油器オイル・グリスの補給および定期的に点検・清掃・給油・調整を行う契約で、FMと比較すると部品取替がない分1万円から2万円程度安価で済みます。
POGでは、一定範囲内の消耗品の交換は月額に含まれます。
各種ボルト・ナット、カゴ内蛍光灯、点検用マシン油、ウエス、グリス、ヒューズ類の交換は月額の範囲内で済むと考えてよいでしょう。

メンテナンスの費用と相場


予想外の故障による部品交換や修理は別途契約や修理費用がかかるため、点検ごとに請求額が異なってきます。
各種点検頻度ごとに、おおまかな相場を調べてみましたので、ぜひご参考ください。

ロープ式・油圧式エレベーターの場合

まずはロープ式・油圧式のエレベーターを点検する場合の費用をみてみます。
FMの場合、月1回で点検すると、インターホンによる通話装置機能と遠隔監視装置付きであれば、月額45,000円が相場のようです。
インターホンのみの場合やこのようなオプション機能がない場合は、2,000円から4,000円ほど安価になります。
2ヶ月ごとに1回の点検だとインターホンと遠隔監視装置付きで38,000円程度、3ヶ月毎1回なら34,000円程度になります。
一方POGの場合、月1回で点検すると、インターホンによる通話装置機能と遠隔監視装置付きのエレベーターであれば、25,000円が相場のようです。
2ヶ月ごとに1回の点検だとインターホンと遠隔監視装置付きで21,000円程度、3ヶ月毎1回なら18,000円程度になります。
FMと同様に、インターホンのみの場合やこのようなオプション機能がない場合は、2,000円から4,000円ほど安価になります。

巻胴式エレベーターの場合

次に、巻胴式にかかる費用の相場をみます。
FMの場合月1回で点検すると、インターホンによる通話装置機能と遠隔監視装置付きのエレベーターであれば、月額38,000円が相場のようです。
2ヶ月ごとに1回の点検だとインターホンと遠隔監視装置付きで34,000円程度、3ヶ月毎1回なら30,000円程度になります。
一方POGの場合、月1回で点検すると、インターホンによる通話装置機能と遠隔監視装置付きのエレベーターであれば、22,000円が相場のようです。
2ヶ月ごとに1回の点検だとインターホンと遠隔監視装置付きで18,000円程度、3ヶ月毎1回なら14,000円程度になります。
巻胴式ですと、1か月に1回未満の頻度の点検であれば、ロープ式・油圧式よりもFMの場合4,000円程度安価になり、POGの場合は3,000円程度安価になります。ただし、FMで毎月点検を行う場合に限って7,000円程度の差が出るようです。

小荷物専用・業務用エレベーター・エスカレーターの場合

小荷物専用の業務用では、POGのみ適用となります。訪問頻度が毎月1回だと月額5,000円程度です。
2ヶ月毎に1回の点検ならば4,500円、3ヶ月毎に1回ならば4,000円程度であると考えられます。
この種類に限り年間1回の点検が可能であり、大体25,000円程度でメンテナンスできます。
エスカレーターの場合は毎月1回のPOGで約30,000円です。
乗用が主であるエスカレーターは月1回の点検が一般的なようです。
※平成29年10月15日時点でのエレくら運営調べです。正確な費用相場はご自身でご確認ください。

メンテナンス契約のまとめ


POG契約は、購入したばかりのうちは故障が少ないので安く上がります
しかし、使用年数が増えるごとに故障箇所も増える可能性が高くなります。
どちらの契約にするかはいつどんな故障をするかわからない分、駆け引き的な部分もあります。
しかし、最初にFM契約をしていたのちにPOG契約に切り替えることはおすすめしません
途中でFMとPOGを切り替えることができるかどうかは保守会社にもよりますが、耐久性の高いものを購入した場合は最初はPOG契約で、後からFMに切り替えると結果的にお得に維持できることになります。
エレベーターの法定償却耐用年数は17年となっており、建築物維持保全協会のLCC評価指針によると計画耐用年数では25年と定められています。約20年の間の保守コストを考えた場合、どの程度予算が割けるかなどを予め計上して、最初から最後までFMにするか、契約を切り替えるかを考えるとよいでしょう。