EVと略されることも多い、エレベーター。
最近の5階建て以上のマンションには、たいていエレベーターが設置されています。
日本の都市部にはマンションが多いため、必然的にエレベーターの数も増えます。
今回はそんなエレベーターの種類とメンテンテナンスの種類をご紹介いたします。

エレベーターの種類


エレベーターの種類には、油圧式、リニアモーター式、ロープ式がありますが、マンションでは主に油圧式とロープ式が使用されています。
油圧式には、直接、間接、パンタグラフ式の3種類があります。
たいてい5階から6階くらいまでの中低層マンションに使われます。
ロープ式の場合は、トランクション式の機械室があるタイプ、機械室がないタイプなど、3つの種類があります。
ロープ式は、低層のマンションにも高層マンションにも使われています。
トランクション式の機械室があるタイプは、上部に取り付けている巻上機で駆動します。
トランクション式の機械室がないタイプは、建築上部の突出した部分がないため、日影規制などの影響がありません。
建築上部に荷重がかからないため、昇降路を自由に設計できます。
EVの制御が行われた場合、復帰の操作は手動でします。
高さが31mを超える建物は、建築基準法34条2項により、非常用の昇降機を設けることが定められています。
非常用昇降機は、超高層マンションで火災が起こった時などに、救助や消火活動を行うために使われます。

メンテナンスの種類


エレベーターのメンテナンスを行う会社には、メーカー系と独立系のメンテナンス会社があります。
エレベーターを設置したメーカーにメンテを依頼するケースもあれば、設置後に専門の会社に依頼するケースもあります。
メーカー系の会社は他のメーカーのメンテをすることはありません。
しかし、独立系の会社はすべてのメーカーのメンテを行っています。
サービスのメニューは、定期的なメンテに加えて、定期検査報告、緊急時の対応、部品供給などです。
マンションの管理組合がメンテナンス会社と契約を交わす場合、FM契約とPOG契約という2種類の契約方法があります。
どちらの契約も、FMは、全部お任せできるため、故障や部品交換をするたびに見積もりや発注をする手間が省けます。
とても便利だし楽なのですが、高額になるケースが多いです。
一方、POGは、消耗部品付き契約で費用はFMよりも安くなります。
定期点検や、管理範囲内の消耗品の交換は含まれるものの、それ以外の部品は、取り替えたり修理する場合に別途料金が必要になります。
FMは、専門会社にすべて任せることができるので、煩わしい手間がかからないというメリットがある反面、部品の取り換え周期を把握できない、部品の価格が明記されていないなどのデメリットがあります。
POGは、料金が安く、部品取替や修理の費用、点検費用が明確であるというメリットがありますが、必要のない部品交換をして費用を請求されたり、予想以上の費用がかかるケースがあるなどのデメリットがあります。
突然の出費が発生した場合、金額が高額になると総会決議が必要となる場合があります。
そうなると、決済に手間がかかってしまうことも多いです。
ですから、事前に予算化しておいて、マンションの組合員の承認を得ておくことが大事なのです。
管理組合では、FMにするかPOGにするかで悩むことが少なくありません。管理会社やエレベーター会社は、FMを勧めてくることが多いです。
日本の場合、エレベーターの性能が良いため、新しいマンションの場合は10年くらいは故障や部品の交換はほとんどありません
ですから、管理組合がFMを選択するとメンテナンス会社は儲かるわけです。
日本のエレベーターは、建築基準法により、使う材質や強度などが厳しく規制されています。
エレベーターのワイヤーは、必ず複数で使用されており、最低でも11倍以上の強度があります。
一般的に使われている12mmのワイヤーだと、1本で7000kgに耐えられます。
ワイヤーは、8年ごとに交換することが決められています。
過剰な検査をしたり、別に必要のない部品を交換することで多額の費用を請求する専門業者もいるので注意が必要です。

独立系の会社と管理組合


ここ数年で、独立系の会社は増えたものの、メーカーによる独占状態は続いています。
通常は、エレベーター設置後に自動的にメーカー系会社との付き合いが始まるために、独立系の保守会社の存在を知らないオーナーも少なくありません。
独立系保守会社の中には、徹底して合理化したり省力化したりして、メーカーではできない低価格を実現している会社もあります。
エレベーターの安全管理は、建築基準法により所有者や管理者の責任となっています。
分譲マンションの場合は、管理組合に責任があります。
マンションの管理会社やエレベーターの保守管理会社に委託しているとなかなか意識しにくいですが、管理組合では年に1度は専門技術者による定期点検が行われています。
定期検査の結果は、自治体に報告する義務があるのです。
集合住宅のエレベーターの多くは、月に1度保守点検を行い、年に1度定期検査を行っています。
点検をしっかりと監督することは、管理組合の重要な仕事のひとつです。