エレベーターの契約・工事について

契約や工事についてのポイントをご紹介いたします。

メンテナンス・保守契約

定期的な点検や、消耗品の交換を行う契約です。保守契約は2種類のどちらかを選択しなければなりません。人が挟まる、閉じ込められるなど、人の命に関わる事故や故障を未然に防ぐために、エレベーターにとってメンテナンスは必須です。

FM契約(フルメンテナンス契約)

消耗部品の部品本体の代金、交換や調整の工賃が含まれた契約です。新築からFM契約を勧める業者もいますが、7年〜10年間はFM契約にしたほうが総費用が高くなる場合が極めて多いため、業者比較の前に契約の時点でロスをしている場合があるようです。

しかし、いずれ必ず交換しなければならないワイヤーロープやケーブルなどの部品代なども料金に含まれているため料金が固定化されやすく、また年数が経過し修理や交換が多発するであろうエレベーターには最適な契約となります。

POG契約(パーツ・オイル・グリス・メンテナンス契約)

点検作業や消耗品の交換などはFM契約と同じですが、FM契約では料金内に含まれているワイヤーロープやケーブル等の部品代などでは別途費用が発生する契約です。別途費用が発生するため料金は月により異なりますが、月額の保守費用自体が安く、部品交換などの料金が明確になりやすいため新築し7年〜10年間はPOG契約が良いと言われています。

費用以外での保守会社変更

また、費用面以外でのお悩みも多数寄せられます。

  • 「作業員の態度が悪い」
  • 「不具合の原因が不明と言われた」
  • 「物件の所有者が変更となった」

など、住民のみなさんの不快感や不安感から保守契約会社を切り替えられる方も大勢いらっしゃいます。

保守契約の比較

FM契約とPOG契約の2種類から選択することとなるエレベーターの保守契約ですが、どちらの契約の方が良いかも含めエレベーター業者に相談し、比較することで安全にコストを抑えられます。

交換や修理

ワイヤーロープ交換や作動油の交換などの修理が多く、そこから派生する案件もあります。

ワイヤーロープ交換

人が乗降するカゴを吊るしている重要な構成品であるワイヤーロープですが、使用を続けることで錆が発生します。そのまま交換せず使用し続けると破断する恐れがあります。そのため、決められた基準を超えたワイヤーロープは交換の必要性があります。

潤滑油交換

マシン油やギヤ油など、様々な箇所で種類の違う潤滑油が使用されています。構成部品の消耗にも直結しますので、定期的な交換が必要です。

交換や修理を比較の際は、保守契約も比較

交換や修理は、基本的には保守契約をしているエレベーター業者に依頼することとなる場合や、保守契約会社を切り替えて依頼することが多いです。ですので交換や修理を比較の際には、保守契約の切り替えも同時に検討されることをオススメいたします。

部品の耐用年数目安について

油圧式エレベーター・ロープ式エレベーター・機械室なし(ルームレス)の三種類に分け、部品の耐用年数目安をご紹介いたします。あくまで目安ですので期間内に交換が必要と判断されたり、期間を過ぎても交換の必要がない場合もございます。詳しくは保守点検の業者や、現地見積もりに来た業者にお尋ね下さい。

油圧式エレベーター

油圧式ユニット

部品名称 交換目安
作業油 5年
オイルシール 5〜7年
スプール 10年
電子カード 10年
ソノレイド 10年以内
モーター 10年以上
Vベルト 5年

制御盤内

部品名称 交換目安
シーケンサー 10年
UPS(電源用バッテリー) 3年
各制御リレー 目視
各制御タイマー 10年

扉廻り

部品名称 交換目安
D.C.モーター抵抗 10年〜15年※モーターの交換部品が無い為、駆動方式の変更が必要
セレクター 10年
オートマシン 10年
ドアハンガー 目視
ドアシュー 目視
ドアインバーター 10年
ドアモーター 10年
ドアスイッチ 5年
ドアワイヤー 目視

塔内

部品名称 交換目安
リミットスイッチ 目視
近接スイッチ 目視
調速機 目視
押釦(押しボタン) 目視
テールコード(移動ケーブル) 15年
主ロープ 10年
調速機ロード 10年
ガイドシュー(ギプス) 5〜7年
ガイドシープ 目視
油圧シリンダーパッキン 目視

ロープ式エレベーター

機械室 – 巻上機

部品名称 交換目安
主シープ(綱車) 目視
ギヤーオイル 5年
ブレーキライニング 20%磨耗
ブレーキコイル 10年以上
オイルシール 目視
減速機ギヤー 目視
巻上機一式 10年以上

機械室 – 制御盤

部品名称 交換目安
主インバーター 10年
主インバーターファン 3年
シーケンサー 10年
UPS(電源用バッテリー) 3年
各制御リレー 目視
各制御タイマー 10年

昇降路内 – 扉廻り

部品名称 交換目安
D.C.モーター抵抗 10年〜15年※モーターの交換部品が無い為、駆動方式の変更が必要
セレクター 10年
オートマシン 10年
ドアインバーター 10年
ドアハンガー 目視
ドアシュー 目視
ドアモーター 10年
ドアスイッチ 5年
ドアワイヤー 目視

昇降路内 – 塔内

部品名称 交換目安
リミットスイッチ 目視
近接スイッチ 目視
調速機 目視
押釦(押しボタン) 目視
テールコード(移動ケーブル) 15年
主ロープ 10年
調速機ロード 10年
ガイドシュー(ギプス) 5〜7年
ガイドシープ 目視

機械室なしエレベーター

機械室 – 巻上機

部品名称 交換目安
主シープ(綱車) 目視
ギヤーオイル 2年
ブレーキライニング 20%磨耗
ブレーキコイル 10年以上
オイルシール 目視
減速機ギヤー 目視
巻上機一式 10年以上

機械室 – 制御盤

部品名称 交換目安
主インバーター 10年
主インバーターファン 3年
シーケンサー 10年
UPS(電源用バッテリー) 3年
各制御リレー 目視
各制御タイマー 10年

昇降路内 – 扉廻り

部品名称 交換目安
扉駆動装置 10年
ドアインバーター 10年
ドアハンガー 目視
ドアシュー 目視
ドアモーター 10年
ドアスイッチ 5年
ドアワイヤー 目視

昇降路内 – 塔内

部品名称 交換目安
リミットスイッチ 目視
近接スイッチ 目視
調速機 目視
押釦(押しボタン) 目視
テールコード(移動ケーブル) 15年
主ロープ 7〜8年
調速機ロード 7〜8年
ガイドシュー(ギプス) 5〜7年
ガイドシープ 目視

リニューアル

通常、エレベーターの寿命は20年〜25年(法廷償却年数は17年)と言われています。運用が20年を経過してくると経年劣化により調整や修理が困難なります。また、構成部品自体の供給が停止してしまうこともありますのでリニューアルは必須となります

リニューアルの種類

お客様または業者の判断により必要となればリニューアルすることとなります。リニューアルには以下の3つの方法があり、リニューアル方法も含めてエレベーター業者に相談することとなります。

全撤去リニューアル
その名の通り全ての構成部品を撤去し、新たなエレベーターとして生まれ変わります。工期がもっとも長く、費用ももっとも高くなります。また、後述の確認申請が必要となります。
準撤去リニューアル
全撤去よりも交換する部品を減らしたリニューアルです。全撤去よりはコストがかからずに済みますが、確認申請が必要となる場合が多いです。
制御リニューアル
部分的にリニューアルする方式で、近年もっとも主流となっています。巻上機や制御盤、操作スイッチなどのみを交換することにより、コストがもっとも抑えられます。確認申請は必要とならない場合が多いです。

確認申請とは

現行の法令に合致した規格となっているかどうかの確認です。エレベーターは現行の法令に合致していない既存不適格でも違法にはなりません。しかし全撤去リニューアルなど、リニューアルプランによっては確認申請が必要となる場合は、現行の法令に合致させなければならなくなる場合が多いです。リニューアルの必要性が高い古いエレベーターは既存不適格である可能性が高いため、確認申請が必要かどうかは非常に重要となります。